一般社団法人
日本歯内療法学会
Japan Endodontic Association
時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。会員の先生方には日頃より学会運営にご協力いただき心より感謝いたしております。
この度、阿南壽前理事長の後任として一般社団法人日本歯内療法学会の理事長を拝命いたし、身の引き締まる思いでございます。
事務局長には大久保建吾先生をお迎えし、2022年~2023年度の任期で学会発展のため誠実に務めさせていただく所存でございます。
学会の軸となる学術大会が昨年、一昨年と二年続けて通常開催ができませんでした。しかしながら、一昨年の山形大会はクイントの別冊によりメモリアル的に残すことができました。昨年は日本歯科医学会学術大会との併催という初めての試みでしたが、オンライン開催となりました。理事会におかれましても対面による通常開催がはばかれる状況の中、Web形式をとり、滞ることなく開催されています。専門医セミナー、研修会も会員向け配信がオンデマンド配信で視聴でき、開催地の遠近に関わらず躊躇することなく参加していただいたことはWeb配信の可能性を認知する機会となりました。世の中が平常に戻った時には皆様のお顔を拝してのそれぞれの開催となるでしょう。この緊急時に得た貴重なWeb形式による諸々の体験は今後の学会運営の形を広げる可能性のヒントになったように思います。
新しい執行部では時代の変化に取り残されず、しかしながら十分な調査と考察を加えての学会運営を目指し、新たに「デジタル化委員会」を設置させていただきました。上記のWebを利用した学会運営や、懸案となっている会員証のカード化などの実現に向けて働かせていただく所存です。
すでに開始され運営を始めている事業に倫理審査があります。学会誌掲載、学術大会発表などにおける内容の倫理審査です。2021年3月に制定(同年6月30日施行)された「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」を受けての実施となります。かねてより厚労省・文科省・経産省より研究が適正に行われるよう、必要な組織体制や内規の整備などの対応を指示されていたところです。国民の信頼につながる制度構築を遂げることができました。
日本歯科専門医機構が推している歯科における「専門医」については現在意見交換会が継続中です。歯内療法に特化した「歯内療法専門医」ではなく保存全般の「歯科保存専門医(仮称)」ということで話が進んでいます。残念ながら、現在開業されている先生方は申請条件を満たすのは難しくなっております。
今後は本会の認定する「歯内療法専門医」のさらなるレベルアップを目指し、なお一層の研鑽を重ね、国民の健康に寄与できるような制度を整備していくことになるでしょう。
日本歯内療法学会のさらなる成熟と飛躍を目指し、誠実に務めさせていただく所存です。どうか皆様のお力をお貸しいただきますよう、お願い申し上げます。
一般社団法人 日本歯内療法学会理事長
佐久間克哉