一般社団法人
日本歯内療法学会
Japan Endodontic Association
時下、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。この度、佐久間克哉前理事長の後任として、2024年から2025年に一般社団法人日本歯内療法学会理事長を拝命することになった広島大学大学院歯髄生物学研究室の柴秀樹です。理事長の任を受けるにあたり、本学会のホームページにアクセスし、改めて本学会の設立の経緯と趣旨を確認しました。伝統ある本学会の理事長を務めさせていただくことは、大変光栄なことであると同時にその重責に身が引き締まる思いです。事務局長の大久保建吾先生とともに学会発展のため誠心誠意努めてまいりますので、会員の先生方の倍旧のご支援とご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
日本歯科専門医機構による歯科保存専門医の運用に向けて、特定非営利活動法人日本歯科保存学会とともに、歯科保存専門医認定委員会が設置されました。一方で、本学会は、本学会の歯内療法専門医制度を継続することとしました。学会が認定する専門医も、国民のために専門領域の歯科医療に加えて、倫理性・社会性を備えた診療態度を示すために必要な知識(医療倫理(臨床倫理、研究倫理、生命倫理)と医療安全(感染対策、医療事故防止)に関する知識)を有し、診療室でそれを実践することのできる医療従事者でなければならないと考えます。専門医制度の問題点の一つとして、全国で各専門医が偏在していることが挙げられます。国民のために、歯内療法専門医が偏在している状況を改善する必要があります。国立社会保障・人口問題研究所の日本の人口予測(プレスリリース 令和5年4月26日)では、2056年には1億人を下回る見込みです(2020年国勢調査では日本の人口は1億2、615万人)。人口減少による大学の充足率の減少および歯科研修後の歯科医師の進路状況などから考えると、偏在の改善には、歯科医院で医療に携わる歯科医師の専門医取得が不可欠と考えます。本学会が認定する「専門医」のレベルアップを図り、国民からより信頼される専門医を輩出できるようにするため、専門医制度推進検討委員会と医療安全委員会を新規に設置し、本学会の専門医制度改革の検討を開始します。歯内療法を専門医とする歯科医師を輩出して、わが国の歯内療法水準の均霑化の役割を担うことのできる学術団体は、開業(勤務)医とアカデミアで均衡を保って構成されていることを特徴とする本学会であると信じています。第一に本学会の専門医を取得し、引き続き、日本歯科専門医機構の歯科保存専門医を取得した歯科医師が全国津々浦々で活躍することを信じます。
最後になりますが、理事、各種委員会委員、代議員、会員の皆様とともに、本学会の発展と人生100年時代に向けて国民の歯の保存に貢献できる有益な学会を目指し、誠実に務めさせていただく所存です。2年間という短い期間ではありますが、皆様のご理解、ご支援およびご協力をお願い申し上げます。
一般社団法人 日本歯内療法学会理事長
柴 秀樹